[現場]ノーギャラ舞台...第12回検察改革ろうそく文化祭に登場「国民を見下す検察」
2019.11.02 21:06 l最終更新2019.11.03 09:14 l 文:チョ・ソンヘ(tjsgp7847)写真・映像:ユ・ソンホ(hoyah35)
「(検察が)国民の上に君臨しながら、国民を見下し、潜在的な犯罪者として見ているような気がします。当然捜査すべきものを(検察が)しなかったり、疑惑が無いとして覆い隠したのをどれほど多く見たでしょうか?罵られても当然ではないですか?だから少し悪口を言いましょう。」
2日午後、「第12回ヨイドろうそく文化祭」で特別公演を行った歌手イ・スンファンさんの言葉だ。この日「検察改革司法積弊清算汎国民市民連帯(以下、市民連帯)」がソウル市汝矣島(ヨイド)公園前で開催した文化祭で、イさんがよどみない「サイダー」発言(=スカッとする発言)を繰り出すと、参加者は大きく呼応した。彼は今回の文化祭にノーギャラで参加した。
彼は「私の父はいつも“生きる上では必ず、検察・警察・医師1人ずつと知り合って過ごさなければならない”と言った」とし「その中で最も力が強いのは検察で、彼らは大概のことなら“サバサバ(裏取引の俗語)”が可能だ(と言っていた)」と述べた。
続いて「それにもかかわらず私は、50代半ばになるまで検察・警察・医師の知り合いは1人もなく、放送とも親しくなく、マスコミとも親しくなく、歌謡界のアウトサイダー歌手になった」とイさんは付け加えた。
「検察、信頼できない集団...国民は検察改革を望んでいる」
それと共に彼は「父の言葉のせいなのか、それとも映画や小説でよく描写される検察イメージのせいなのかは分からないが、私は検察を信頼できない集団だと考えてきた」とし「おそらくほとんどの国民が長年、このように認識してきたのではないかと思う」と述べた。
イさんは「この機会に検事がイメージを変えてみてはどうだろう」と提案し、「標的捜査、選択的捜査ではなく、公正な捜査、検察改革を成し遂げるイメージへと変身することを国民は望んでいる」と強調した。
PM2.5のレベルが「高い」良くない天気だったが、この日の文化祭には多くの市民が参加した。汝矣島公園前の交差点を中心に、金融監督院側から麻浦大橋方面の道路までろうそくを持った市民があふれた。
先に、日本の経済報復措置をきっかけに作られたインターネットカフェ「犬闘国民運動本部」の会員の集まりである市民連帯は、去る9月、複数回の集会を開いたが、これが徐々に大規模な集会へと発展した。その後休止期を経た市民連帯は、去る10月14日、曺国(チョ・グク)前法相が辞任して高位公職者犯罪捜査処(公捜処)などが本格的に議論されながら、再び集会を開いた。
文化祭に参加した人々は、「検察改革を完遂しよう」「公捜処を設置せよ」「国会は応答せよ」「曺国を忘れまい」などのスローガンを叫んだ。
公捜処をめぐる野党の過去
これに先立ち文化祭の舞台に上がったユーチューバー“アイアムピーター"のイム・ビョンドさんは「正しい未来党のオ・シンファン院内代表は、公捜処は設置する必要がないと言った」とし「ところがオ代表は、2017年に(これと類似する)高位公職者腐敗防止処法案を発議した」と指摘した。彼は「2012年当時、セヌリ党も同じような法案を発議した。2017・2018年には朝鮮日報が社説で公捜処が必要だと述べた」とし「自由韓国党(以下、韓国党)の公捜処は構わないが、文在寅政府の公捜処は駄目なのか」と反問した。
続いてイムさんは「検察改革は大韓民国の改革の基礎に過ぎない」とし「(韓国党などは)これを防いでいるが、検察改革が行われた瞬間、その既得権がすべて崩れ落ちるからだ」と付け加えた。彼は「検察改革が成功するかしないかは、大韓民国の改革がなるかならないかということと同じ」とし「(文化祭に参加した)皆さん本当にありがとう、誇らしい」と話した。
やはりマイクを握った民生経済研究所のアン・ジンゴル所長は「ナ・ギョンウォン(韓国党院内代表の子供の入試関連など)の不正があまりにも深刻だが、これを捜査しない検察は(ナ代表側と)内通しているようだ」と主張した。彼は「検察は、検察を批判したユ・シミン(廬武鉉財団)理事長、ユン・ソクヨル(検事総長関連)の疑惑を提起したハンギョレに対しては間髪を入れずに捜査した」とし「ところでなぜナ・ギョンウォン、ファン・ギョアン(韓国党代表)と朝鮮日報のパン氏一家の不正は捜査しないのか」と指摘した。
アン所長は「韓国党と朝鮮日報、親日派がやっていることを見ると、韓国を初めから少数既得権の国、親日派の国にしようと目論んでいるようだ」とし「彼らが朝鮮日報、土着倭寇の残党に対する私たちの闘争を抑え込むために曺国大乱を起こした」と声を高めた。
彼は「国会には、現在困難に直面している庶民を助ける良い法案が提出されている。高齢者福祉を拡大する法案もある」とし「このすべてのものを韓国党が妨害している。良い法案が通過するためには、韓国党を強く糾弾しなければならない」と強調した。
「戒厳令文書、マスコミはなぜ報道しないのか」の指摘も
検察への批判は、ステージ上で続いた。
キム・ナムグク弁護士は「数日前、詳細な行動計画が盛り込まれた(朴槿恵政権末期に国軍機務司令部がろうそく集会に対して作成した)“現時局に関する対備計画”という文書が公開された」とし「(文書は)ろうそくを掲げた国民を従北勢力と規定した」と述べた。続いて彼は「国会を解散し、国会議員を自宅軟禁し、ひいては戦車まで動員し、平和的なろうそくを軍靴で踏みつけようとした」とし「この文書について検察は適正に捜査しなかった」と指摘した。
キム弁護士は「検察は、戒厳令文書はこのように粗雑に起訴を中止しておきながら、(曺元法相に関する)表彰状の捜査には数十人の捜査官を投入し、虱潰しに捜査している」とし「ナ代表に対する告発が4回もあったのに検察は告発の調査もしなかった。最後まで食い下がって離さない」と声を高めた。
建国大学のチェ・ベグン教授は「弱者を守り、人権を保障していくと言った検察の宣言は虚言に過ぎず、自分たちの特権を保障する検察だけがいる、という事実が露呈した」とし「民主化運動の後、国民が主人である国が作られたと思っていたのに、検察・マスコミ・財閥によるカルテルが国民を支配していた」と述べた。
続いて「検察独裁を清算することは第2の民主化運動であり、第2の独立運動だ。完全な独立のための最後の旅路」とし「私たちが放棄すれば、私たちの子供たちは再び、人権と正義が蹂躙される地獄で生きなければならない。偉大な国を実現するために進軍しよう」と声を高めた。
民主言論市民連合のキム・オンギョン事務局長は「先日、軍の人権センターが追加公開した(戒厳令関連の)文書には、マスコミに関して非常に意味深長な内容が含まれている」とし「(当時の政府が)望むことだけを報道させ、言うことをよく聞く保守マスコミだけを生かして宣伝ツールとして利用し、他のマスコミを弾圧するという内容だ」と述べた。
彼は「(文書には)当時、朴槿恵国政壟(ろう)断事件を報道したほとんどのマスコミを偏向マスコミと明示し、(今後)保守マスコミには集会の暴力性を報道させると書かれている」とし「戒厳後、放送通信委員会がマスコミの性向を把握し、中道と保守に分けるという内容も含まれている」と付け加えた。
それとともにキム事務局長は「全斗煥(元大統領)が書いた報道指針と同じだ。違憲的文書なのに、マスコミではこれを適正に報道していない」とし「今からでも目を見開いてマスコミを監視し、ジャーナリストに与えた権限を適切に行使するよう督促しなければならない」と強調した。
この日午後5時から3時間を超えて行われた文化祭が終わると、参加者は、汝矣島漢江(ハンガン)公園を過ぎ、国会議事堂前まで行進を続けた。
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