皆さん、お会いできて嬉しいです。反腐敗改革と公正社会は、私たちの政府の使命です。積弊清算と権力機関の改革からはじめ生活積弊に至るまで、反腐敗政策の範囲を広げてきました。権力機関の改革は今、最後の関門である法制化段階が残りました。公捜処の新設など立法が完了すれば、再び国政壟(ろう)断のような不幸なことが起こらず、国民が主人である正義の国に一歩近づくでしょう。
一方では、反腐敗政策協議会を中心に、公共部門と民間部門の不正と腐敗を根絶し、国民の暮らしの中の生活積弊を清算するために最善を尽くしています。不正採用、パワハラ、私学不正、脱税など慢性的な弊害を清算しながら、私たちの社会は、より透明できれいな社会に変わっています。
一時は50位圏外に押し出された腐敗認識指数が再び回復し、歴代最高水準に上昇し、公共機関の清廉度も毎年上がっています。
しかし、まだ道のりは遠いです。依然として社会のあちこちに蔓延している反則と特権が国民に深い喪失感を与えており、公正な社会を求める国民の声が依然として高いです。
今日、”反腐敗政策協議会”を”公正社会に向けた反腐敗政策協議会”として拡大改編するのは、腐敗を正すだけにとどまらず、私たちの社会全般に公正の価値を根付かせようという、政府の強い意志と覚悟を明確にすることでもあります。
違法行為の厳重な処断はもちろん、合法的制度の枠組みの中にも、便法や小細工、特権や不公正を容認しないということです。
今日扱う案件は、私たちの社会をより公正な社会にするために、必ず解決しなければならない当面の課題です。どこか一つの省庁の努力だけでは足りず、汎省庁的な協業が行われてこそ成果を出せる課題です。決して議論や意志表明にとどまることなく、国民が確かに変わったと体感できるよう、過去の誤った慣行から徹底的に断絶させるようお願いします。
そのためには、実効性がある方策を総動員する、強度の高い対策が必要です。対策の準備と実践、そして点検につながるよう、それぞれの省庁が協力してください。
第一の懸案として、”前官特恵”を扱うことは非常に意味が大きいです。退職した公務員が、過去に所属していた機関と癒着し、捜査や裁判、請願解決に至るまで、幅広い影響力を行使してきた前官特恵は、私たちの社会の根深い不公正領域です。公平な国に進んでいくためには、必ず根絶しなければなりません。力があり財力がある人の専有物になり一般の国民に苦痛と被害を与えた前官特恵を公正と正義に反する反社会的行為と認識し、これを確実に剔抉(てっけつ)することを政府の使命と考えて下さい。
前官特恵で受けた不透明かつ莫大な金銭的利益に対する徹底した調査により、公正課税を実現することも欠かせないことです。
単に法曹界のみならず、退職した公職者が前官癒着により、国民生活に直結する民生や安全はもちろん、防衛産業など国家安保に直結する分野まで、民生を侵害し国益を損なうことが少なくありませんでした。今までにも公職者倫理法を改正して努力してきましたが、国民の目にはまだまだ不十分です。前官癒着の素地を事前に防止し、公職者の便法的な関連機関への再就職を遮断できる方策を強力に施行しなければなりません。
予備校など私教育市場の違法と不公正も正さなければなりません。関係省庁の特別点検を通じて実態を明確に把握し、違法行為は必ず厳しく処断しなければなりません。学習塾の隠れた収入が脱税につながらないよう、所得がある場所には課税があるという原則も必ず確立して下さい。
私教育費の負担が相対的な剥奪感につながり、学生簿総合選考に対する不信も高いだけに、教育不平等の解消と大学入試の公平性を確保する次元においても必ず必要なことです。
採用における公平性の確立は、私たちの青年の切実な願いです。政府はこれまで、公共部門における採用の公平性を確立するために特別な努力を注いできました。公共機関の実態調査を通じて不正採用を摘発・取り締まり、積極的な被害者救済措置を講じました。不正採用は無寛容の原則に基づき厳罰に処す、という原則を今後もさらに厳しく守っていきます。
制度的には、ブラインド採用を公共機関全体に導入し、学歴や出身地、家族関係を排除して専ら能力で評価されるよう、選抜方式を変えました。その結果、合格者の多様性が広がり、手続きと結果の公正性に対する認識が高まりました。さらに発展させ、誰にでも公平な機会を与える採用制度を定着させていかなければなりません。
最も重要なことは、政策需要者の需要性です。当事者である就活生たちが客観的かつ公正だとみなすまで、採用制度を絶えず補完し、改善してください。
公共部門が先頭に立ち、民間部門も共に努力して、公正な採用文化が社会全体に広がらなければなりません。
組合員子女の優先採用疑惑など国民が不公平だと考えることに対しても、不信を解消し、改善する努力を続けなければなりません。
特に、検察改革について一言申し上げます。
検察改革に対する国民の要求が非常に高いです。国民が公権力行使に対しても、より高い民主主義、より高い公正、より高い透明性、より高い人権を求めているのだと思います。
したがって検察改革に要求が集中しているようですが、他の権力機関も同じように要求されていると受け止めながら、共に改革の意志を固めなければなりません。
検察は、政治的中立性についてはかなりのレベルで実現したと判断します。これからは、国民が要求する、そのあとの、その次の段階の改革についても応えてくれるようお願いします。
公正に関する検察の役割は、常に重要です。これからの課題は、ユン・ソクヨル総長ではなく他の誰が総長になってもぶれることのない、公正な反腐敗システムを作り、定着させることだと思います。腐敗に厳正に対応しながらも、捜査と起訴の過程では人権と民主性と公正性を確保する、完成度の高いシステムを定着させてください。
そのような面では、検察が自ら改革の主体であるという認識を持ち、積極的に改革に乗り出していることを幸いに思い、高く評価します。
しかし、セルフ改革に歯止めがかからないよう、法務省と緊密に協力し、改革の完成度を高めてくれるよう、特にお願いします。
出典:青瓦台