2019/11/3
妻の健康状態がひどく悪かった。
やっと生き返ったような土曜日の朝、
一杯のコーヒーを前に置き、妻の顔を見つめた。
妻が泣く。
自分の脳腫瘍判定にも毅然としていた妻が涙をぽろぽろ流して泣く。
5時間半の脳腫瘍の除去手術後にも
「これでもう十分よ。
このありがたい英国市民に何かしなくちゃいけないわよね?
あなた、キングストン地方議会のカウンセラー出馬を受け入れてよ。
ありがたい英国と英国市民のために、一生懸命やることをやってみて。
私はもう大丈夫よ」と言っていた妻が、
今日はぽろぽろと泣く。
「あなた、なんとかして。
あの人(チョ・グク夫人)このままでは死んでしまう。
何でもいいからやってみて。ね?」
妻の涙に胸が詰まった。
「わかった。何でもいいからやってみるよ。
僕ができる何かをやってみるよ。」
そう答えて、
昨夜は一晩中
頭が割れるような頭痛で夜が明けた。
頭痛薬にも止まらない頭痛で
妻さえ一睡もできなかった。
そして迎えた今朝、日曜日の朝、
私たちは決心した。
Crime against Humanityで大韓民国の検事たちを告訴することに。
やってみよう。
バカげたことと止めても
必ずやってみなくては。
妻の目から涙を拭いてあげるために。
このまま捨てておいたら
死んでしまうかもしれない
あの人の妻のために。
日曜日
ロンドン キム・インス
2019/11/4
報告1
妻に約束した「何か」を
しています。
同志ができました。
とても胸が痛いという同志は
快く法律手続きの調査を
引き受けてくれました。
月曜日なので仕事に邪魔され
何もできないのではと心配でしたが、
同志の助けにより、法律規定と手続きは、
整理がつきました。
今夜から急いで
書類作業をすれば終わります。
今週中に
一つのプロセスは
仕上げられそうです。
同志が尋ねました。
「最後までされるんですか?」
「もちろんですよ。最後まで行きます。」
同志の顔に咲いた笑顔が
私たちみんなの気持ちでしょう。
そして、その次には
また別のプロセスを探して、
またはじめようと思います。
可能なすべてのことを
急いではじめ、
最後までやろうと思います。
ロンドン
キム・インス
2019/11/8
チョ・グク法相ととその家族について
報告2
International Criminal Courtに提出する、ユン・ソクヨルをはじめとするソウル中央地検長、第3次長検事、腐敗捜査1,2,3部部長検事をはじめとする違法拷問(精神的身体的の両方)検事に対する、訴状を仕上げ、昨日、助けてくれている弁護士の方々に読んで修正してくれるよう渡した。今朝仕上げが終われば、提出する予定だ。
ときめく心で朝のコーヒーを飲む。白くかすんだロンドンの霧の中にも、太陽の光が射し込んでくる朝だ。これからが始まりだ。やってみよう。
ロンドン
キム・インス
2019/11/8
チョ・グク前法相とその家族
報告3
ユン・ソクヨルとソウル中央地検におけるユン・ソクヨルの手下の検事に対する告発状をInternational Criminal Courtに提出し、郵便で送りました。
彼らが法廷に立つよう最善の努力を尽くします。そして彼らが法廷に立ったときに必要な追加の証拠を集め、その日に備えようとしています。そればかりでなく、その違法を恣行(勝手きままに振る舞う)した、そして今も恣行している検事たちを処罰し、損害賠償を請求できる別の方法があるかどうかも探してみます。最後までやってみます。
違法をしゃあしゃあと恣行する検事は、処罰されなければなりません!
ロンドン
キム・インス
2019/11/9
雨の土曜日です。
早朝から事務所に出かけて溜まっていた仕事をしました。ちょっと昼食を食べようとしたのですが、妻はチャジャン麺とチャンポンを買って家でお義母さんと末っ子と一緒に食べ、また事務所に戻ろうと言いました。
チャジャン麺を混ぜ、食べようとしましたが、その混ぜたチャジャン麺をぼんやり眺めていた妻が、また泣きます。
先週の土曜日の朝にぽろぽろと泣いた妻が、今週の土曜日の昼にまた泣きます。
「あの人は今どうやって過ごしているのだろうか? 温かいご飯一食も安心して食べられないだろうに。」
言葉を濁す妻のつぶやきに、また胸が詰まります。
11時間も家宅捜索していた4人の検事と更に多くの捜査官たちが、チャジャン麺を出前して食べながら家宅捜索したそうです。自分たちはチャジャン麺ではなく韓国料理を注文して食べたと言いましたが、嘘だということがばれたそうです。
11時間なら、家宅捜索の時間ではなく家を丸ごと引越しても余る時間です。その長い時間のあいだ、何をしたのでしょう?
当然のことながら拷問したでしょう。(かつての)日本の巡査のように身体的な拷問に加え、精神的な拷問まで悪辣に拷問したでしょう。
「自白しろ。自白しないと、お前が死ぬかも知れず、お前の息子や娘が死ぬかも知れない。自白しろ」
そう拷問したでしょう。
かつては逆さに吊るして唐辛子粉を鼻に入れ、浴槽に頭を沈め、丸鶏串も作り、...
苦痛に耐えきれずに「嘘の自白」をすれば、その「嘘の自白」を証拠に裁判所は死刑を宣告し、検事は死刑を執行しました。
そうやって拷問して判決して執行していた裁判官や検事は、どちらも殺人犯です。殺人犯である彼らの首を絞首台に吊るさなければなりません。
新政府ではこのような肉体的な拷問を禁止し、市民団体が見守っているので、今では面と向かって悪辣に精神的な拷問をします。
「罪を犯したと自白しろ。自白しなければ、お前の娘を刑務所に入れる。医師? そうなれるよう我々が放っておくと思うか? 息子は無事だと思うか? お前が自白しろ。そうすればお前の夫を楽に殺して終わらせてやる。自白しなければお前とお前の夫と息子と娘がすべて苦痛の中で死ぬことになる。どうせお前の夫は死ぬことになっている。いっそ自白しろ」
そうやって拷問したのでしょう。言葉にはしなくても、その程度は誰でも知っているでしょう。
そうやって拷問されたあの人の妻は、今もそうやって拷問されているあの人の妻は、チャジャン麺を見たらどうでしょうか? あの悪夢と恐怖が心と体をずたずたに引き裂いてしまうでしょう。これからは一生チャジャン麺を食べられないかもしれません。いや、チャジャン麺を見ただけで気がおかしくなるでしょう。そうやって検事というならず者たちは、その人を拷問で破壊しました。そして今も、さらに破壊しています。
1杯のチャジャン麺を思う存分食べられないほど、今も残酷に拷問されているその人を思いながら、妻は混ぜたチャジャン麺を前にして、またぽろぽろと泣きます。
一日中雨が降っています。
あの雨も、もうすぐ止むでしょう。もうすぐ。
ロンドン
キム・インス