チェ・ギョンミン記者 入力2019.11.23.06:01
|[the300]日本の対話示唆に「条件付き猶予」へ旋回…12月の日中韓会談が分水嶺
文在寅大統領が22日、日韓軍事情報保護協定(GSOMIA)の終了猶予という「サプライズカード」で反転を演出した。GSOMIAの終了(23日0時)6時間前に、日本の安倍晋三首相との交渉に再び出る意思を表明した。
日本は韓国に対する輸出規制を見直すことにした。日本が「撤回」してこそ、韓国も「最終的延長」という「ビッグディール」が成立する。もし日本の行動が年末頃までに遅々として進まないなら、GSOMIAの終了が再び話題に上る可能性も排除できない。
韓国政府の今回の「GSOMIA終了猶予」決定の内容と意味を「一問一答」形式で解説してみた。
- 韓国はGSOMIAをどうするということなのか。
▶去る8月23日に日本側に送ったGSOMIA終了通知の効力を一時停止した。ここには「いつでもGSOMIAの効力を終了できる」という前提が敷かれた。つまりGSOMIAを「延長」するのではなく「終了猶予」したものだ。韓国はいつでもGSOMIAの終了効力を有効にできる。韓国が決定すればその日付でGSOMIAは終了する。
- 明らかに ”GSOMIAを終了する” という立場にはブレがないようだ。
▶大統領府が願ったのは「日本の態度変化」だった。今回、日本側は韓国政府にホワイト国リストなどに関する「課長級準備会合の実施後、局長級対話の実施」を約束した。日本がホワイト国リスト除外前、米国の仲裁案である「スタンドスチール」(stand still、現状凍結)をも拒絶したことに比べれば、明らかに交渉の意志を示したと見ることができる。急旋回の理由だ。
- 少し複雑だが、今の状況を説明してほしい。
▶ディールが進められている。韓国側は、GSOMIA終了およびWTO(世界貿易機関)提訴に対する「条件付き猶予」カードを出した。日本は、ホワイト国リスト除外および戦略物資3品目(フォトレジスト、フッ素ポリイミド、フッ化水素)の制裁「見直し」を出した。ディールの基本は「ギブ・アンド・テイク」だ。「条件付き猶予」という一時的恩恵を韓国が日本にまず与えた。今度は、日本が「見直し」した後、ホワイト国リスト復元などの措置を打ち出す番だ。それでこそ韓国がGSOMIAの最終的な延長を与えられる。
- 日本が「条件付き猶予」だけ受けて時間を稼げば、韓国だけ損するのではないか。
▶大統領府側は「今のレベルの合意内容が相当期間続くことは許容できない。時期を予断するのは難しいが、現状が相当期間続くことは許容できない」という立場だ。時間稼ぎは看過しないということだ。
- 韓国が日本を圧迫するカードがあるのか。
▶韓国はいつでも「GSOMIA終了日時の猶予」状況を終えられる。日本が行動で示さなければ、GSOMIAは終了する。大統領府の基準は7月1日以前への回帰だ。日本がGSOMIAを延長しようと思うなら、「ホワイト国リスト復元」と「3品目の制裁解除」を必ず行わなければならない。
- いつまで交渉をするのかのマジノ線は決めたのか。
▶大統領府は明確な時点には言及していない。その代わり12月中に日中韓首脳会談が予定されているという点を思い出すべきだ。文在寅大統領と安倍晋三首相が直接対峙するしかない。ここで「ビッグディール」を完成させるのが理想的な形になり得る。韓国の意図どおりに上手く進んだなら、年末中に結果が見られる。
-今回の契機はどんな意味があると見るべきか。
▶日韓関係が破綻へと進むことは防いだ。GSOMIAが終了した場合、両国関係が取り返しのつかない状況にまで進んだかもしれない。そのような状況で日韓が水面下の接触を行い、日本側が対話の意志を見せ、韓国が答えた。日韓間の交渉を開始する空間を確保したということだ。日米韓の協力体制に力を入れてきた米国をも満足させられる状況だ。
チェ・ギョンミン記者 brown@mt.co.kr
記事出典:머니투데이