韓国日報 入力 2019.12.19 19:13 l修正 2019.12.19 19:32
19日、ソウル中央地裁刑事25部(ソン・イングォン裁判長)の審理で開かれたチョ・グク前法相夫人・情景芯(チョン・ギョンシム)東洋大学教授の裁判で、検察と裁判部が声を高めて言い争い、再び正面衝突した。
検察側からはこの日、ソウル中央地検特捜2部所属のコ・ヒョンゴン部長検事など8人の検事が出廷した。弁護人側も、キム・チルジュン弁護士を含む7人が出廷した。場所は、裁判開始前から傍聴人が殺到し、従来の一般法廷から417号大法廷に変更されたことが分かった。
裁判部が検察に意見書に関して陳述する機会を与えなかったところ、検事らは交互に「意見陳述の機会をなぜ与えないのか」と抗議した。検察の抗議に裁判部が「座りなさい」と繰り返す状況が続き、ソン・イングォン部長判事の声が高くなりもした。
主な場面を再現してみた。
◇起 - 主人公“パワーポイント(PPT)”の登場
この日の裁判に先立ち、検察は裁判の中立性および調書内容に対し異議を申し立てる内容の意見書を裁判部に提出した。また、この日の裁判では、PPTを映して関連内容を説明する予定だった。裁判前に検察はパソコンなどを点検し、「第3回公判準備期日調書に関する意見 - ソウル中央地方検察庁」というタイトルのPPTを開いておいた。しかし、ソン・イングォン部長判事は、検察が提出した意見書への回答を示し、検察のPPT説明を認めなかった。
検事(以下、検)= 先日の公判期日の進行について、私たちの意見を事前に明らかにしたいと思います。
裁判長(以下、裁)= 裁判部がまずお話しし、進行過程を議論しようと思います。お座りください。検察が録音を要請しました。私たちが録音するようにします。ただし、録取(録音と筆記)する条件が整っていませんので、録音だけします。また、公判準備期日調書にはすべての状況を盛り込むことはできません。裁判長が重要だと判断したものだけ盛り込みますので、追加する内容だと判断したらお話しします。今は録音されていますので、調書記載は必要ないようです。
検 = 期日調書についての意見を書面で提出しましたが、公判中心主義ないし口頭弁論主義の原則に基づき、検察が法廷で意見を述べるのが手続き上、正しいと思います。
裁 = 私たちが意見書を読みました。法に基づき私たちも措置を取るようにします。12月11日(第3回公判準備期日の翌日)以降、検察が多くの意見書を出しました。そのうち、タイトルが少し特異な意見書があります。裁判部の予断を指摘する内容と、(第3回)公判準備期日調書について異議を申し立てた内容です。
検察が予断と中立性を指摘した部分については、指摘を受けたという事実そのものが重大な問題だと思います。裁判部の立場からも、検察が提出した意見書を契機に、裁判部の中立をもう一度振り返ってみたいと思います。公判準備期日調書の異議申し立てに関しては、調書にすべての内容を記載することはできません。
ただし、先の(公判準備)期日で公訴状変更申請を許可しないことについて検事が異議を申し立てたのにもかかわらず、その部分が調書に記載されませんでした。その部分に限って変更する方法を、法に基づいて検討します。
◇承 - 裁判部の繰り返される「お座りなさい」
検 = 事前に公判進行について意見書を出しましたし、公判中心主義の要旨に基づきそれについて陳述することができるのに、意見書内容の陳述を聞きもせず、一方的に進めるのは不当です。
裁 = 裁判部の立場からももう一度振り返ってみると言いました。お座りなさい。
検 = 公判中心主義に基づいて意見書を法廷で陳述できるのに、陳述する機会を与えてください。
裁 = 何度言わなければならないのですか。お座りなさい。
検 = 手順に従って正当に要請しているのです。陳述の機会を与えてください。
裁 = 機会を与えることはできません。お座りなさい。
検 = 意見を述べる機会を与えない理由は何ですか。
裁 = 必要ないと判断しました。
◇転 – 検察、再び不公正なPPT使用機会を指摘
検 = 弁護人側の意見は聞いたのに、私たちには一言も言わせてくれませんでした。なぜ検察の意見は聞かず、弁護人は、書画カメラまで映して説明させるのですか。検察は、書画カメラを映す機会もないのできちんと申し上げられませんが、(弁護人側の意見は)明らかに虚偽です。私は今、裁判に支障を与えようとして騒ぎ立てているのではありません。
裁 = お座りなさい。
検 = お座りなさい? 公文書に対する異議申し立てなのに、(裁判部は)ただの一言も聞かずにいます。
裁 =(検察意見書を)すべて読みました。お座りなさい。
検 = 訴訟指揮に対する追加の異議申し立てもさせてくれないのですか。
裁 = とりあえずちょっとお座りなさい。裁判進行の妨げになるようです。
検 = とりあえずわかりました。
◇結 - 弁護人と検事の神経戦
弁護人 = 非常に残念です。公判中心主義と仰いましたが、その大前提は訴訟指揮に忠実に従うことです。約30年の間裁判をしてきましたが、こんな裁判は見たことがありません。法に基づいて異議申し立てはできますが、それに先立ち、裁判長から発言権を得なければなりません。裁判長が設定した議題に従わなければならず、発言の機会に応じて自分の意見を言うのが基本中の基本です。しかし、すべての検事が裁判長の発言を制止して一方的に発言を続けています。私は、発言の許可を得て申し上げています。
検 = 弁護士が裁判部に意見を明らかにしようと発言の機会を得たんであり、私たちを非難しようとして得た発言の機会なんですか。私たちも、裁判長が検察の意見をこんなにも受け入れないのを見たことがありません。
裁 = 最善を尽くします。
検 = 検察が裁判長の訴訟指揮に多くの異議を申し立てましたが、裁判の進行が円滑でなかった点には責任を痛感します。裁判が迅速かつ正確に行われることを願う気持ちから意見を申し上げたのです。(しかし)そのような部分が受け入れられなかったことは残念に思います。今後、不要な雑音や摩擦が生じないようにします。
次の第5回公判準備期日は、来年1月9日午前10時に行われる予定だ。
ユン・ハンスル記者 1seul@hankookilbo.com
記事出典:韓国日報