入力 2019.12.19.14:17
|裁判部「中立性を振り返ってみる」… 検察「なぜ意見陳述の機会与えないのか」抗議
|検事8人が交互に異議申立てるや、裁判部「あなたの名前は何か」と問いも
(ソウル=聯合ニュース)ゴ・ドンウク、パク・ヒョンビン記者 = チョ・グク前法相の妻・情景芯(チョン・ギョンシム)東洋大学教授の裁判で、検察と裁判部が互いに声を高めながら尖鋭な神経戦を繰り広げた。
検察の公訴状変更許可申請を裁判部が認めなかったことから、双方の対立がさらにひどくなっている模様だ。
19日、ソウル中央地裁刑事合意25部(ソン・イングォン部長判事)の審理で開かれたチョン教授の表彰状偽造事件および不正入試・私募ファンド疑惑事件に対する公判準備期日では、弁護人ではなく裁判部が、主に検察と言い争う光景が繰り広げられた。
この日の裁判に先立ち、検察は意見書を提出した。先の公判準備期日で、裁判部が訴訟指揮をしたことに対する異議を表す内容だ。
去る10日の公判準備期日で裁判部は、検察の公訴状変更許可申請を認めず、記録のコピーが遅れていることを指摘し「保釈を検討することができる」と警告していた。
裁判部はこの日の裁判が開始されるや「裁判部の予断や中立性を指摘した部分は、そのような指摘を受けたという事実自体が重要な問題だと思う」とし「これを契機に、裁判部の中立について振り返ってみる」と話した。
また、表彰状偽造事件の公訴状変更を認めなかったことについて検察が異議を表明した内容が公判調書から抜け落ちているとの指摘にも「修正する」旨を明らかにした。
裁判部はその後、公判準備手続きを進めようとしたが、すぐに検察が異議を申し立てた。
直接法廷に出廷したソウル中央地検のコ・ヒョンゴン反腐敗捜査2部長は、「私達から直接意見陳述を聞かずに一方的に進めることは不当だ」と主張した。
公判中心主義と口頭弁論主義などの原則に基づき、あらかじめ提出した意見書の要旨を法廷で陳述する機会を与えてほしいと要請したものだ。
しかし裁判部は「振り返ってみると述べ、公判調書に反映すると言った。席に座りなさい」と制止した。
これに対し3人の検事が交互に席を立ち、「意見陳述の機会をなぜ与えないのか」と抗議し、裁判部は「座りなさい」と重ねて指示する状況が10分近く続いた。この過程でソン・イングォン部長判事の声が高くなりもした。
コ・ヒョンゴン部長検事が「本気で(意見陳述が)必要ないと思うのか」と尋ねると、裁判部が「そうだ」と答えた。
これに対しカン・ベクシン副部長検事が「この訴訟指揮に異議を申し立てる」と言うと、再び裁判部は言葉を遮りながら「棄却する」と言った。
「どんな内容の異議なのかも聞かないのか」という抗議にも、裁判部は「座りなさい」と言った。
その後も、裁判が進められる間ずっと頻繁に検察が異議を申し立て、裁判部がこれを棄却する状況が続いた。
ある検事は「検察にはただの一言も言わせず、弁護士には意見書を書画カメラに映し出し、直接どの部分なのかと尋ねる」とし「前代未聞の裁判をしている」と声を荒げて裁判所を批判した。
カン・ベクシン副部長検事も「弁護人が話すときはしていない話まで話させ、検事が話すときは途中で言葉を遮る」とし「意見を最後まで聞いて答える方式で訴訟指揮をしてほしい」と言った。
この日法廷に出廷した8人の検事が交互に席を立ち異議を申し立てると、裁判部はその都度「あなたの名前は何か」と尋ねもした。
このような争いは、検察と弁護人間の葛藤にも広がった。
チョン教授の弁護人は「法に基づき異議の申し立てはできるが、それに先立ち裁判長から発言権を得て、裁判部が設定した議題に従うのが基本」とし「検事全員が今日、裁判長が発言の機会を与えていないにも関わらず、一方的に発言している」と述べた。
弁護人は「30年間、裁判をしてきたが、今日のような裁判は見たことがない」と言った。
これに対してコ・ヒョンゴン部長検事は「今、弁護人は訴訟遂行に関して発言の機会を得たのであり、私達を非難する機会を得たのではない」とし「私達も、裁判長がこれほど検察の意見を聞いてくれない裁判を見たことがない」と対抗した。
この日の裁判は、弁護人側で検察が提出した証拠などをすべて確認できなかった関係から、意見を出せないまま空転した。
これを巡っても、記録の閲覧・コピーが遅れる理由が検察にあるのか、弁護人にあるのかについて、舌戦が繰り広げられもした。
検察は今後、チョ前法相家族の私募ファンド疑惑よりも、不正入試疑惑から審理してほしいという意見を明らかにした。チョン教授が不正入試疑惑の関係者と広範囲に接触しただけに、拘束期間内に審理を終えなければならないという理由からだ。
コ・ヒョンゴン部長検事は、裁判を終え、「迅速・公正な裁判を願う気持ちから出した意見が受け入れられない部分は残念だ」とし「裁判の進行が円滑でない部分に私達も責任を痛感し、今後は不必要な雑音や摩擦が生じないようにしたい」と話した。
彼は年内にこの事件の主な被疑者に対する起訴を終えたいとも明らかにした。これを巡り、検察が家族の不正入試などに関連し、チョ・グク前法相の調査を終え、裁判にかけるという趣旨をほのめかしたのではないかとの観測が出ている。
裁判を終えた後、弁護人は「今日、裁判の進行に対して検事たちがこのようにしてもいいものなのか、弁護士として非常にショックを受けた」とし「これは私たちの司法現実を見せてくれた一つの現場」と述べた。
sncwook@yna.co.kr
記事出典:聯合ニュース