全文和訳をご紹介します↓↓
---みんなのための自由---
尊敬する議長、事務総長、
各国代表団の皆さん。
“コロナ” を克服して新たな希望を作るための世界保健総会にご一緒に参加することができましたことを大変意義深く思います。
まず、全世界で “コロナ” の犠牲になられた多くの方々に心からの哀悼と慰めの意を表します。
また、人類の健康と安全のために献身しているすべての国の医療陣と防疫陣に深い尊敬と感謝の気持ちを伝えます。
私は今日、コロナに打ち勝つために大韓民国国民が選択した「みんなのための自由」の道をご紹介したいと思います。
韓国は “コロナ” の被害を最も早く受けた国の一つであり、積極的なウイルス対応策を速やかに見つけ出さなければなりませんでした。
チャレンジと危機の瞬間、韓国国民は大胆な選択をしました。
一人一人が持っている “自由” を “みんなのための自由” に拡張しました。
“隣人” をウイルスを伝播する危険な対象と見なして封鎖し遮断する代わりに、“私” の安全のために “隣人” の安全を先に守りました。
自由に移動して経済活動を継続するために自発的にマスクを着用し、“社会的距離置き” に積極的に参加しました。
“社会的距離置き” の最中にもお互いの心はさらに近づきました。
医療関係者はボランティアで渾身の努力を尽くし、市民たちは「分かち合い」によって励まし合いました。
全国単位の総選挙では、厳格な防疫手続きにもかかわらず、2,900万人を超える有権者が投票に参加しました。
普段よりも高い投票率を記録しながらも、一人の感染者も出さずに “民主主義の祭り” を成し遂げました。
“隣人” の範囲は、“国境” を越えてまで拡張されました。
国境を塞がずに交流を続ける一方、都合が許す限り診断キットとマスクをはじめとする防疫物品を分かち合いました。
高い市民意識で “みんなのための自由” の精神を実践しながら防疫の主体となってくれた国民のおかげで、“開放性、透明性、民主性” の3つの原則が力を発揮できました。
政府も、迅速かつ広範な診断検査と創造的な方式によって国民の努力を後押ししました。
韓国は “コロナ” にまだ完全に勝利したわけではありません。
“社会的距離置き” を “生活の中の距離置き” に切り替えて日常と防疫が共存するよう努力していますが、まだ散発的な集団感染が続いています。
また、国外で持続している世界的な大流行が依然として脅威です。
治療薬とワクチンが準備できない限り、再び新たな大流行が起こる可能性もあります。
しかし、私たちは確かに知っています。
情報を共有してともに協力する力は、ウイルスが持てない人類だけの力です。
“コロナ” は人類共通の価値である “自由の精神” まで脅かしますが、“自由の精神” に基づいた “連帯と協力” こそが “コロナ” との戦いで勝利できる最も強力な武器です。
議長、各国代表団の皆さん。
私は “みんなのための自由” の精神に立脚し、世界が今の危機を克服してその後に備えるための3つの提案をしたいと思います。
第一に、保健脆弱国に対する人道的支援を拡大し、防疫経験を共有していかなければなりません。
誰もが “コロナ” から自由になるまで “ただ一人も疎外されないよう” 協力しなければなりません。
韓国は今年、合計1億ドル規模の人道支援を計画しています。
危機対応や出入国政策に至るまで、これまで蓄積してきた経験とデータを継続的に国際社会と共有していきます。
人類の健康をともに守るために積極的にWHOと協力していきます。
第二に、ワクチンと治療薬開発のために国境を越えて協力しなければなりません。
開発されたワクチンと治療薬は、人類のための公共財として全世界に公平に普及されるべきでしょう。
韓国はワクチンと治療薬開発のためのWHOの努力を全面的に支持します。
韓国は、世界ワクチン免疫連合、グローバルファンド、国際医薬品購入機関、国際ワクチン研究所に供与国として参加しており、今年から感染症革新連合にも寄与する予定です。
第三に、WHO国際保健規則をはじめとする関連規範を迅速に整備して、羈束力を備える必要があります。
私たちは、いつでも起こりえる新型感染症の危機に、より一層迅速かつ効果的に対応できなければなりません。
感染症に関する情報を各国の間でもっと透明に公開し、早期警報システムと協力体系を共同構築する努力が必要です。
G20首脳会議とASEAN+3首脳会議で議論された協力案が、より一層具体化されることを希望します。
尊敬する議長、事務総長、
各国代表団の皆さん。
危機の前に人類は、各自図生(それぞれが生きようと図ること)ではなく “連帯と協力” を選択しなければなりません。
危機の時ほど世界は “相互信頼と包容” で団結しなければなりません。
国際社会が “みんなのための自由” の価値をさらに固く共有するなら、私たちは今の危機克服を早め、ポストコロナ時代の希望をより大きく育てることができると信じます。
ありがとうございました。
出典:青瓦台