キム・テギュ 入力2020.03.14.09:32
|青瓦台「韓国に事前協議や通知なしに日本が一方的に発表」即時対応
|「昨年の輸出規制発表時に続き信頼できない行動に深い遺憾」
|日本、GSOMIA延長合意時に事実歪曲..反面教師としての作用評価
|輸出規制局面初期 “Low key”..失敗せずの判断あったとの解釈も
|「日本の防疫状況によっては追加措置..公式対応は外交部を通じて」
青瓦台のユン・ジェグァン副報道官は10日午後、予定外の緊急ブリーフィングを開き、入国制限措置の決定を韓国政府に事前通知したという日本の菅義偉官房長官の主張に真向から反論した。
ユン副報道官は「日本は韓国政府に事前協議や通知をせずに今回の措置を一方的に発表した」とし「昨年の輸出規制発表時に続いて繰り返される、日本のこのような信頼できない行動について深い遺憾の意を重ねて表する」と述べた。
新型コロナウイルス感染症(コロナ19)による韓国人入国制限措置に関連し「日本の考え方や措置の内容は韓国側に外交ルートを通じて事前に通知した」という菅長官の主張を一日のうちに反論したものだ。
ユン副報道官は、「去る5日午前、韓国政府が日本の(韓国人入国制限)措置の可能性を感知して外交ルートを通じて事実関係の確認を求めた時も、(日本政府は)関連事実を否認した」と説明した。
韓国政府が日本のマスコミ報道をきっかけに韓国人に対する入国制限措置の可能性を事前に問い合わせた時には否定していた日本政府が、3、4時間後には立場を変え、正反対の結果を発表したというのだ。
日本からは事前協議がなかったという同じ趣旨の外交部によるメッセージに続いて大統領府が追加の公式対応をしたのは、昨年の輸出規制の初期局面とは対照的だという評価が出ている。
青瓦台内部では、先立って外交部当局者を通じて日本側から事前協議がなかったとの説明がなされたが、政府レベルでより確実にしておく必要があるとの意見が強かった、という話が伝えられている。
青瓦台レベルのこうした迅速な対応は、明確に狙いが窺える日本の“政治的意図” に巻き込まれる必要がないとして “ローキー(low-key)” 戦略を貫いた、昨年の輸出規制の初期局面とは異なるとの評価が出ている。
当時、適切な対応時期を逃したあげく不要な真実攻防を繰り広げなければならなかった “結果的誤認” 事例を踏襲しないとの意志が反映された結果ではないかというものだ。
典型的な自国内マスコミプレイ(印象操作)を通じて国際社会の世論づくりに長ける日本に遅れて対応し、これを覆すために苦労した昨年の教訓が、今回の入国制限措置への素早い対応につながったということだ。
青瓦台関係者は「昨年の日本による輸出規制措置発表の際にも、日本のマスコミによって先に可能性が報道された」とし「当時、日本政府が関連事実を否認しながらも奇襲的に発表したわけだが、今回も同じで、事実関係を正す必要があると判断した」と説明した。
昨年7月に日本が閣議決定により、半導体の3大核心素材▲エッチングガス(高純度フッ化水素)▲フォトレジスト(感光液)▲フッ化ポリイミド(透明ポリイミド)など1100以上の戦略物資に対して韓国への輸出手続きを厳しくする、いわゆる “ホワイト国リスト(輸出手続き簡素化優遇国リスト)” 除外決定を電撃的に発表した当時、大統領府の基本方針は無対応戦略だった。
安倍首相が支持層結集という自国内の政治目的を達成するために韓国叩きに出たからには、できるだけ公式対応を自制することが相手の意図に巻き込まれない方法という判断があったからだ。
しかし大統領府は、その後日本が輸出規制措置の名分を安保的な観点から立てるや、攻勢を強めて対応する基調へと180度転換した。韓国政府が対北朝鮮制裁の対象であるフッ化水素を北朝鮮に搬出する可能性があるゆえに輸出規制するほかない、という日本の論理に積極的に反論した。
日本が輸出規制措置を安保問題に関連づけるや、正面対抗の一環として "日韓GSOMIA終了" という超強気の対抗策に出たわけだ。日本が先に安保問題に関して信頼性を疑ったからには、両国の信頼関係をもとに締結したGSOMIAをこれ以上維持する必要がないというのが大統領府の論理だった。
GSOMIA終了が避けられないように見えたが、終了を翌日に控えた昨年11月22日、輸出規制撤回のための日韓政策対話を開始することを条件にGSOMIAを延長することに日韓両国が合意し、正面衝突を辛うじて回避することができた。
この過程で日本の経済産業省が合意内容を事実とは異なって紹介し、チョン・ウィヨン国家安全保障室長は実名で「牽強付会(妥当でない無理な主張)」、「試さないでほしい」という高強度の表現を動員し、日本政府に対して覚悟の批判を行った。
現在の相互入国制限措置をめぐる日韓両国の対応は、昨年、日本による輸出規制措置に触発されて日米韓安保紛争へと拡散した一連の過程とは、似ているようでありながら厳密には異なる、というのが大統領府内外の評価だ。
日本との全面戦争を甘受してまで素材・部品・機器産業の脱日本化を決めた当時とは異なり、徹底的に事実関係を中心として誤った部分だけを正す、というレベルで対応する節制された態度が窺えるということだ。
今回の場合、コロナ状況への誤った対応によってコーナーに追い込まれたことに伴う、支持層結集のための政治的意図に過ぎず、日韓両国間の歴史問題から出発して通商問題と安保問題までが絡みに絡み合った昨年とは状況が異なる、との評価も出ている。
キム・サンジョ大統領府政策室長が最近、放送インタビューで、日韓両国のコロナ事態に関する情報公開の透明性の差に言及したのは、それだけ国際社会でも日本の措置は名分が立たないという点を強調したものと解釈される。
キム室長は5日、「実際に韓国は世界で最も果敢な透明性を維持している。一日1万3000人を検査する」とし「その結果を透明に公開しているが、“日本が果たして韓国ほど透明か” という点で疑問がある」と指摘した。
青瓦台関係者は11日、「私たちは日本国内のコロナ19拡散状況と日本政府の防疫能力に応じて対応している。日本の状況が変われば、外交部を通じて追加措置をとることができる」とし、「ただ、これとは別に日本政府が事実関係を続けて歪曲しようとするなら、これを正す原則対応も避けられない側面がある」と述べた。
ユン副報道官が前日「輸出規制発表時に続いて繰り返される、日本の信頼できない行動に深い遺憾の意を表する」と述べたのも、こうした脈絡の中で解釈できるというのだ。
ただし、菅官房長官が大統領府の反論があってから一日のうちに、韓国と中国に対する入国制限措置を韓国側に事前通知したと重ねて主張しており、今後真実ゲームの様相に展開する可能性も排除できないとの観測も出ている。
菅官房長官は同日の定例記者会見で、入国制限措置に関して具体的な内容を事前に韓国政府に伝えたのかという質問を受け、「私たちの考え方と措置内容について韓国側に事前通知した」とし「措置を発表した後も丁寧に説明しているとの報告を受けた」と主張した。
☞共感メディアニューシス kyustar@newsis.com
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